ボーン・スナッチャー 「評価 C」
アフリカのナミブ砂漠で、ダイヤの採掘を行っていた三名が謎の失踪を遂げた。セキュリティ・センターのマグダ達が技術屋のザックと共に彼らの捜索を行ったところ、見つかったのは全身の肉を削がれて骨だけとなった三人の死体だった。誰がこのような無残な殺し方をしたのか、と不気味に思う捜索隊の面々。ところがその晩、事件の犯人は捜索隊にも襲い掛かってきたのである。現地の人間から「砂漠の母」と呼ばれて恐れられている、世にもおぞましい怪奇生物が…。
「骨身に浸みる恐怖!」という宣伝コピーが、シンプルながらも作品内容と上手くリンクさせていて印象に残るこの映画。作品の顔である「砂漠の母」は、無数の蟻が集まって人間大の蟻怪人になる「ブラック・ビートル」風味のクリーチャーだ。蟻怪人の気色悪くもモチーフを尊重した造型は勿論のこと、蟻酸を利用した探索方法や指令を与える女王蟻など、蟻の特性が作品の随所に使われているのもB級らしさを醸し出していて嬉しいところ。しかしクリーチャー自体の出来は悪くなかったにも関わらず、脚本と演出がその魅力を半減させているように思えてならなかった。作中で幾度か訪れる襲撃シーンは、どれもこれも「砂漠の母」が自身の弱点に足を引っ張られて撤退するばかりで、怪物の恐怖が存分に発揮されないまま終わる。そのため襲撃シーンの度にフラストレーションが溜まっていくのだが、さあクライマックスの対決で今までの分が発散されるぞと思いきや、実に地味な手段で怪物は倒されて映画は終わってしまうのだ。せめてクライマックスぐらいはクリーチャーの大暴れが見たかったと、非常に口惜しい思いをした映画である。
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