スピル 最終汚染             「評価 C」
アメリカの細菌研究所では、政府による極秘の主導の下で新型細菌兵器の開発が行われていた。しかし不慮の事故が発生し、開発チームはアレックス中尉を除いて全滅してしまう。アレックスはこの事が原因で政府を憎むようになり、細菌兵器を積んだタンクローリーに乗って国際サミットの会場に突っ込むという計画を立てた。そこで細菌兵器を輸送するタンクローリーの運転手を買収し、タンクローリーを指定した場所に呼び寄せるアレックスだったが、不運なことに運転手の不注意によってタンクローリーはグリーン・バレー渓谷へと転落。おまけにアレックスは事故で命を落とし、計画は失敗に終わった。一方、タンクから漏れた細菌が周囲に散らばり、大統領護衛官のフェアチャイルドを始めとする多くの人間が感染してしまった。この事実を知った政府は細菌兵器の秘密を守るため、感染者を全員抹殺しろと命令を出す。だが自分の命が狙われていることを知ったフェアチャイルドは、同じ感染者であるロレーンを引き連れて軍の包囲から逃げ出した…。
「悪魔の赤ちゃん」シリーズのラリー・コーエンが製作した、ウイルスパニック映画。作中で重要な役どころだったアレックスがいきなり死ぬのを始め、物語の前半はハイスピードで予測のつかない展開が続いて興奮必至の見事な出来栄えだった。しかし映画の中盤、フェアチャイルドが軍のテントを逃げ出してからは急に話のテンポが遅くなり、フェアチャイルド達がこれといった目的も無く追っ手と戦うだけの状態が延々と続いてしまうのだ。彼らが大統領を守るという大義名分を見つけるのが物語も終盤に差し掛かってからのことで、そこからは再び序盤のような密度の濃いドラマが繰り広げられるのものの、その間のB級アクション染みた箇所が作品全体の質を下げているように思えてならない作品だった。
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