ミニサイズ 縮んだやつら        「評価 D」
マッドサイエンティストのバーバーは、物語世界の住人達を実体化することができる、恐るべき機械を発明した。手始めに有名な怪奇小説の怪物たちを実体化させて下僕にしようと考えたバーバーは、ドラキュラ伯爵、フランケンシュタイン、ミイラ男、狼男といった小説の初版本を集め、また生贄として図書館の司書アンナを捕まえてきて、機械を作動させようとした。ところがいよいよ怪物の実体化が行われようとしたその時、機械に縛り付けていたアンナが私立探偵のデビットによって救出されてしまった。そのため機械の作動は中途半端に終わり、実体化されたドラキュラ伯爵達は皆、3分の1スケールのミニモンスターとなったのだ。「こんな体は嫌だ」とバーバーに対して囂囂と非難を浴びせるモンスター達。バーバーが彼らにアンナを連れてくれば人間大のサイズになれることを教えると、早速モンスター達はアンナを捕まえてくるために図書館へと向かった…。
「パペットマスター」や「ホムンクルス 新種誕生」など、今まで数多くのミニモンスター映画を製作してきたフルムーン社。この会社の手にかかれば、ドラキュラ伯爵もフランケンシュタインの怪物も問答無用でミニサイズに変えられてしまうんだから恐ろしい。ところが本作、いい歳したオヤジ達による奇形児の争奪戦が面白かった「ホムンクルス〜」なんかと比べると、「著名な怪物の縮小化」というアイデアからのストーリーの運び方がいまいちパッとせず、また話の流れも緩慢でいつまで経ってもストーリーが進展せず、どうも観ているのが辛い出来栄えだった。またドラキュラ伯爵以外のミニモンスター達のキャラが揃いも揃って立っておらず、いてもいなくても同じような扱いを受けているのはモンスター映画として如何なものだろうか。
クライマックスでのアンナの台詞「小説の怪物たちは物語を読む人たちによって何度も生き返る」は個人的に名言だと思ったが、あまり良い評価はできない作品である。
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