乱気流 タービュランス           「評価 B」
クリスマスの日、ロスへ向けて飛び立った旅客機47便。この機には数名の乗客の他、凶悪犯のウィーバーとスタップスも乗っていた。連邦保安官によって護送されていた二人だったが、隙を見て銃を奪い取ると、瞬く間に彼を射殺。それをきっかけとして機内は惨劇の場と化し、何の罪もない機長や乗客たちが次々と殺されていった。そして気づいたときには、機内で生き残っているのはウィーバーとフライトアテンダントのテリーの二人だけに。ウィーバーによる執拗な襲撃を掻い潜り、テリーは何とかして旅客機を無事着陸させようとするが…。
飛行機内で護送中の凶悪犯罪者が暴れるという、同年公開の「コン・エアー」とやや被る内容の本作。だが凶悪犯と戦うのがニコラス・ケイジでなくか弱いフライトアテンダントなので、アクションというよりもサイコホラーの色が濃い。ウィーバーは優しい顔と凶悪な顔を使い分ける残忍な男で、ホラー映画の不死身の殺人鬼よろしく、頭を殴打され腕の関節を外され肩に鉛玉を食らっても不屈の根性で襲い掛かってくる。そんな彼とテリーとの戦いは、乱気流によって度々回転する機内という舞台設定も相俟って、結構熱中して見ることができる。
ただ航空パニック映画としてはかなり大雑把な出来で、旅客機の車輪に引っ掛かった乗用車を戦闘機がバルカンで爆破する(そんなことしたら車輪ごと吹き飛びます)など、無茶で豪快なカットが度々出てくる。この点や、驚き役である乗客が早いうちから皆殺しに遭う展開から見るに、本作はあくまで凶悪犯との戦いを楽しむ映画なのだろう。
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