乱気流 エアクラッシュ 「評価 C」
ソルトレークの管制センターで働く夫婦、ジャックとシェリー。度々起こる機材の故障にも負けず、二人は順調に仕事をこなしていった。ところがある日を境に、ジャックは自分の管制ミスによって飛行機が衝突事故を起こす夢を毎晩のように見るようになった。おかげで仕事に身が入らないジャックは、数日間だけ休暇をとりテキサスで釣りをして過ごすことにした。だが休暇の最終日、ソルトレークに帰ろうとした彼の飛行機が乱気流に巻き込まれてしまった。エンジンの炎上、他の機の接近と、飛行機には次々とトラブルが襲い掛かる…。
管制官達の働く姿にスポットライトを当てた、TAKIコーポレーション版「乱気流」シリーズの二作目(97年の「乱気流 タービュランス」はGAGAコミュニケーションズから配給された作品で、本シリーズとは無関係です)。今作でも精神を消耗してノイローゼ気味の男が主人公にされているものの、僅かな休暇のカットが挿入されるだけでジャックの精神はすっかり回復し、その後の機内ではごく普通の頼れる男として描かれている。日々神経を磨り減らしている管制官達はこうやってリラックスしているんだよということなのだろうが、その分後半のジャックがいまいち魅力に乏しいように感じられるのはどうしたものか。ヨボヨボの爺さんなのに新人管制官という恐るべき設定の男スペンサーや、ジャックが乗る旅客機の乗客らなど、脇役達がそれぞれ十分すぎるほどに個性を発揮しているだけに、悩みのなくなったジャックは個性が埋没しているのだ。
またシェリーがいる管制センターの方も、無線の故障だけならまだしも、職員が心臓麻痺でブッ倒れるという想定外にも程があるだろと言いたくなるようなトラブルまで発生し、非常にリアリティに欠いた描写が緊迫感を削いでいる。管制官映画としても、飛行機パニック映画としても中途半端に感じられる作品だった。
(でもラストの台詞「ボルネオ島へは小舟でいこう」は笑った。幾らトラブルに巻き込まれた直後とはいえ、管制官が言う台詞じゃないだろ…)
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