キラークラウン             「評価 C」
マイクとデビーはある晩、近くの山に流れ星が落ちるのを目撃した。早速落下地点に急行してみると、そこには何故かサーカスのテントが。テントの周りにはピエロ達まで徘徊しており、先ほどの流れ星は何だったのかと二人は怪訝な表情を浮かべた。ところがテントに入ってみると、そこには綿菓子に閉じ込められて死んでいる人間がいるではないか。実はピエロ達の正体はエイリアンであり、テントに見えたのは巨大な宇宙船だったのだ。彼らの目論見に気づいた二人は大慌てで町に戻り、警察に知らせたものの、その話を信じてくれたのはデビーの元恋人のハンソンだけだった。かくしてまともな協力者を得られない内に、ピエロ宇宙人達は町へ猛攻撃を開始した。彼らのユーモラスな外見に騙された住民たちは、一人また一人と血祭りにあげられていった。更にデビーが宇宙人達のテントに連れて行かれてしまい、マイクとハンソンは何とかして彼女を助け出そうとするが…。
実在した殺人ピエロをモデルにした本作だが、同じモデルを用いても邪悪さ剥き出しの「IT」のピエロと違って、本作のピエロは優しい顔つきをしており、「何を考えているか分からない」という一味違った恐怖を味わうことができる。また彼らが使用する武器が影絵やポップコーンなどといったサーカスの定番アイテムなのも、なかなか個性的でポイントが高い。
ただ本作、殺人ピエロのブラックさと映画全体に漂う緊張感に欠けた雰囲気とが上手く融合しておらず、コメディとしても侵略SFとしても中途半端な出来になっているのが残念なところ。いっそブラック方面に特化していればピエロホラーとして「IT」と並び称されたかもしれないのに、勿体なく感じられる。
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