宇宙からの誘惑 エイリアン・シスターズ   「評価 C」
それは、青年ポールがUFOを目撃した翌朝のことだった。彼の通う学校に四人のセクスィーなギャルが転校してきて、ポールを除く学校中の男子をみんな虜にしてしまったのである。単に美人なだけでなく性にも解放的な彼女らは、近寄ってきた生徒や目をつけた教師達と校内の至る所でSEXをし出した。それを面白くないと思ったのは、彼女らに恋人を寝取られた女子生徒一同。憎き転校生を懲らしめようと夜の広場に集まって話し合いをしていたところ、そこへ騒ぎの当事者である四人が現れた。だがその時、四人は女子生徒らに対し、自分達の正体と真の目的を明らかにしたのである。一方その頃、家にいたポールは父親から意外な事実を聞かされていた。今まで死んでいたと聞かされていたポールの母親はまだ生きており、しかもその正体は十数年前に地球に来た宇宙人だったのだ。かつて彼女はポールの父親と幸せな日々を過ごし、二人の間には可愛い子供まで産まれた。だがある日、ポールの父親が気の迷いによって彼女の元から遠ざかってしまったのである。それ以来心の傷が癒えない彼女は、つい先日同じ星に住む四人の女性を地球に呼び寄せた。彼女らの持つ光線銃で、自分を苦しめた地球を混乱に陥れるために…。
「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』の向こうを張るカルトSF!」という宣伝コピーに偽り無しの、実にお気楽で脳天気な馬鹿映画だ。スモークの向こうから美女エイリアン四人組が登場する場面では「ふぃーん、ふぃーん」と脱力モノのBGMが流れたかと思えば、彼女が地球に来て最初にしたことは他人の家に勝手に押し入って適当にガサ入れした後、「私たち転校生なの、明日からよろしくね」と言って帰っていくだけと理解不能。また四人のうちの一人が何の脈絡もなく猫に変身したかと思えば何時の間にか元に戻っていたり、光線銃に撃たれた人間が「眼球のついた巨大野菜」に変えられたり(もちろん眼球はピンポン玉に黒目を塗ったものだ)と、ギャグとも言えないギャグが次々と繰り出され、幾ら真剣に見ようとしても確実に気が抜けてくる作品である(喩えるならば「チアリーダー忍者」に近い作風だ)。
しかも話はラストに向かうにつれてどんどん迷走していき、エイリアン討伐に軍隊が動き出すわ(勿論戦車や戦闘機のカットは他のフィルムからの流用だ)、ポールの両親の仲は修復しないわで、色々あったけど結局何の解決も迎えないまま物語は驚愕必至のラストを迎えることになる。それまでの混沌とした展開を丸投げにする終わり方には潔さすら感じられたが、実に壮絶な映画だった。
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