バイオドロイド 戦慄の魔獣海域 「評価 B」
モデルのローラは、撮影の仕事で真夏の小国に来ていた。ところがそこで内乱が勃発。国中至る所で戦闘行為がなされ、彼女を始めとする観光客らは飛行機に乗って急遽国を脱出することになった。飛行機は離陸し、安心した顔を見せる彼女達。しかし本当の災難はここから始まった。トラブルによって飛行機は海上に墜落し、彼女らは絶海の孤島に流れ着く。少数の原住民しか住まないこの島は、水も食料も豊富で生活に困ることは無い。ただ一つ、細菌兵器の実験で生まれた怪生物がいることを除けば…。
孤島という密室に閉じ込められた人々が怪物に襲われる、良く言えば王道な、悪く言えばよくあるシチュエーションのTVムービー。本作の怪物はイカのような形状をしており、水中から棘つきの触手で襲い掛かる。棘の毒は相手に対し、自分を開発した研究者の記憶を基にした幻覚を見せる一方、次第にその姿を半魚人のようなモンスターに変えていくという手の込んだ能力付きだ。本作ではこの能力が話の重要な鍵になっており、毒にやられた人間が半魚人化しながら目にする幻覚によって、段々と怪物の正体や島で行われていた実験が明らかにされていく。すなわち怪物の特性が無ければ話が進まないわけであり、謎解きと怪物の存在を上手く絡ませているのだ。また演出面も健闘しており、特に半魚人の発生時に流れる禍々しい音楽は暗く淀んだ雰囲気を一層盛り上げてくれた。原住民の作品における役割があまり見出せず、ただ出しただけ感が漂うのが気になるものの、なかなかに魅力に富んだ映画だった。
GO TO TOP!!