ザ・ハリケーン           「評価 B」
カリフォルニア州サンディエゴ。スーザンは友人のジェーソンらと共に、ヨットで太平洋上のクルージングに出発した。ところがカナダ沖でハリケーンに襲われ、ヨットは転覆。辛うじて救命ボートに乗ったスーザン達は、無数の鮫が泳ぐ海上で決死のサバイバルを強いられることとなった…。
実話に基づいて製作されたTVムービー。邦題が「ザ・ハリケーン」となっているが、あくまで映画のメインは嵐の後の、集団で「オープン・ウォーター」状態に置かれた若者達によるサバイバルである。食料も無く、四方を鮫に囲まれた状態でひたすら救助を待ち続けるスーザン達。やがて渇きに負けて海水を飲んだり、鮫の潜む海に飛び込んだりして一人また一人と自滅していくが、幾ら人間が減ったところで状況は何ら変わらず、生き残った者達はただ救いを待つことしかできない。この追い詰められた状況での人間心理を本作は巧みに描いており、緊迫した空気を感じさせてくれるのだ。ラスト近くになっても救命ボートの人々があまり憔悴した顔にならないのは不満だが、なかなか丁寧に作られている印象のサスペンス映画だ。
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