フローズン・ハザード 「評価 D」
リックとスコットの運営するスキー場は、今年も多くの客で賑わっていた。ところが山頂近くで大きな雪崩の兆候が見られたので、事務員のアレックスとローレンは爆弾を仕掛けて雪崩の被害を最小限に抑えようとした。そしていざ爆破させようとしたその時、二人は山頂付近を滑っている若者達を発見した。彼らはスリルを求め、本来立ち入り禁止区域である山頂付近まで来ていたのだ。慌てて若者達を避難させようとする二人だったが、そこで爆弾が爆発。大量の雪は若者達は愚か、アレックス達までも飲み込んでしまった…。
馬鹿な若者達が無茶なことをして酷い目に遭う、「ルールはきちんと守りましょうね」的教訓が込められた勧善懲悪映画だ。しかし本作、本編中で四つも雪崩が発生するお得な内容でありながら、パニック映画としてはいまいち盛り上がりが薄いように感じられた。中でも特に不満だったのは、クライマックスのスキー場を雪崩が襲うシーンである。最後のトリを飾るだけあって、今までに無い量の雪が押し寄せてくるのだが、何故かスキー場は主人公達を除けば無人に等しい状態。既に避難が完了しているのか、利用客の姿が全く見当たらないのだ。雪はただ誰もいないロッジを次々と破壊していくだけで、残念ながらそこにカタルシスを見出すことはできなかった。冒頭で多くの人間で賑わうスキー場が写しておきながら、大人数による阿鼻叫喚のパニックシーンを見せないのは生殺しもいいところである。
雪崩に巻き込まれた車のタイヤがカメラの方に飛んでくるカットや、山頂に来た若者達によるスノーボードのシーンなど、なかなかの迫力を見せている箇所は結構あるのに、雪崩映画としてはどうしても欲求不満が溜まってしまう作品だった。
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