アーマゲドン           「評価 C」
2019年、地球は衛星「ガリレオの子」との衝突の危機を迎えていた。そこで軍はガリレオの子に採掘船を派遣し、掘らせたトンネルの中で爆弾を爆発させることで衛星を破壊しようと計画を立てたものの、こうして送り出された採掘船のクルー達は軍への不信感から衛星と一緒に自分達も殺されるのではないかという疑いを抱いており、まともに採掘作業に取り組もうとはしなかった。そんな折、トンネルを掘っていたクルー達は、壁がプラチナで出来ている奇妙なコンテナのようなものを発見した。何でこんな物があるのかと考えるよりも先に、取り敢えずプラチナを剥がして喜ぶクルー達。だがこの中には、200万年前に惑星トリリアムを恐怖に陥れた魔物ボーアウスが潜んでいたのである…。
トンネルを掘って爆弾を爆発させるという隕石の処理方法を、「アルマゲドン」より二年も早く映像化していた本作。しかもそれだけではなく、クルー達にやる気が感じられない点まで本作は先取りしており、クルー達は何かにつけて報酬の割り増しを要求したり、仕事そっちのけでゲームに興じたりと、終始地球を救うことなんか二の次といった態度をとり続けているのだ。これには軍の計画に対する疑惑により作業意欲が落ちているとちゃんと説明付けがなされているのだが、それでも地球の運命を背負っていることを考えると、彼らの態度は実に呑気に感じられてならない。更にクライマックスの戦いに至ってもこういった態度は変わっておらず、本来の敵であるボーアウスそっちのけで、女を巡ってガチンコバトルを繰り広げたりするものだからさあ大変。嗚呼、なんと呑気なこと哉。和やかな雰囲気が心地よくも不安にも感じられるが、モンスター映画としては間違いなく怪作の部類に入る作品である。
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