コングの復讐 「評価 C」
ニューヨークにキングコングを連れてきて大パニックを起こしたデナムは、コング死亡後その責任を方々から問われ、破産して検事局から逃げ回る日々を送っていた。ある日貨物船の乗組員として働いていた彼は、髑髏島に財宝が隠されているという話を聞き、知り合った元サーカス団員の娘らと共に一攫千金を夢見て再び島へと向かった。途中、船員の反乱によって船から追い出され、小舟で航海する羽目になりながらも、何とか島に到着。原住民の目を逃れて島の入り江から上陸してみると、そこにはキングコングより一回り小さい白毛の巨大ゴリラがいた。デナムは一目見てこの白ゴリラをコングの息子だと確信し、親コングを殺してしまった罪悪感から、底なし沼にはまっていたところを助け出すのだが…。
「キング・コング」の大ヒットに気を良くしたRKO社が、第一作公開から数ヶ月と経たないうちに完成させてしまった続編。前作より30分も短いのに島に上陸するまでにかなりの時間を費やし、白コングや恐竜たちの出番が極端に少ないあたり、いかにも即席で作りましたという感じが漂っている。そもそも、あのデナムがキング・コングを酷い目に遭わせたことに罪悪感を覚えていたと言われてもいまいちピンと来ず、続編を作ること自体に無理があったのではと思えてしまうが、それでも主役の白コングだけは別格の存在だった。父親同様に喧嘩には滅法強いが、普段は柔和な表情で愛嬌を振り撒いている白コング。それがクライマックスで意外な男気を発揮し、暴君の血を受け継いでいるのを見せつける場面は、父親の活躍を知る人間ならば興奮すること請け合いだ。この点だけでも、本作は価値のある映画と言えよう。
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