水爆と深海の怪物 「評価 B」
アメリカが巨額を投じて完成させた、最新鋭の原子力潜水艦。そのテスト航行中、謎の巨大生物が潜水艦を襲撃した。何とか難は逃れたが、襲撃によって潜水艦は多大な損傷を負ってしまう。そこでピート艦長は潜水艦を真珠湾基地に停泊させ、修理を急がせると同時に、科学者のレズリーらと協力して謎の生物の正体を探ることにした。そしてあらゆる状況から判断した結果、犯人は深海に潜む巨大なタコではないかという話になった。するとそれに応じるかのごとく、北太平洋で貨物船の沈没事故が発生。救助された乗組員らは一様に「巨大なタコに襲われた」と証言しており、ピート達は自説に一層確信を深めた。早速彼らは海軍本部に巨大タコの存在を知らせ、北太平洋沿岸には軍の戒厳令が敷かれた。ところが巨大タコは海軍の機雷網を掻い潜り、サンフランシスコにその姿を現したのである…。
登場するタコの足が六本ということで有名な、海洋モンスター映画の古典。怪物の正体明かしと人間ドラマが続く前半部分は少々退屈な出来だが、巨大タコが本格的に暴れ始めてからは俄然面白くなる。さすがハリーハウゼンが特殊効果を担当しただけのことはあり、本作の主役である巨大タコはリアルな造形もさることながら(と言っても六本足だが)、金門橋を襲撃するシーンでの重量感、触手を丸めたり細いところに絡まったりする生々しい動きと、今観ても興奮すること間違い無しの素晴らしい魅力を放っているのだ。巨大タコが去った後の砂浜に吸盤の跡が一つだけくっきり残っているカットや、タコの出現から暫く経っているというのにタコの近くを平気で何台もの車が走っていたりする辺りが、本作をB級映画止まりにしているように思えてならないが、それでも巨大タコに関していえば古典としての品格が感じられる作品である。
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