ホワイト・インフェルノ          「評価 C」
建築家のマイケルは妻を失った悲しみを乗り越えるべく、新しい妻エミリーを迎えた。しかし、それが気に入らないのは前妻の娘ペイジ。彼女は何かにつけてエミリーに辛く当たり、家庭には険悪な雰囲気が漂っていた。そこでエミリーは少しでもペイジと仲良くなろうと思い、休暇を利用して家族でスキーに出かけることにした。こうして向かった先は、マイケルがロッジを設計した新しいスキー場。スキーを楽しみながら、機会を見つけてはペイジに歩み寄ろうとするエミリーだが、やはりペイジは彼女を拒絶し続けた。とそんな折、スキー場を雪崩が襲った。マイケルの設計どおりに作られていれば、ロッジは少々の雪崩程度ではびくともしないはずだったが、実は業者によって手抜き工事が行われていた。脆い建材によって組み立てられていたロッジは、雪崩に耐え切れず瞬く間に大破してしまった。その時ロッジの一室にいたペイジとエミリーは、互いにいがみ合いながらも、雪の下敷きになったロッジから脱出しようと行動を始める。一方、外にいたマイケルも妻子を救おうと動き出すが、山頂ではより大規模な雪崩が発生しようとしていた…。
雪崩映画と最も相性がいい場所、スキー場を舞台にした本作。エミリーとペイジ、呉越同舟状態の二人が、雪に埋もれたロッジから脱出しようと様々な障害を乗り越えていくうちに互いに打ち解けていく…というのが話の主軸になっている。しかし私は本作を観ている間、何度も「何処かで見たようなシチュエーションだなあ」と思ってしまった。まあパニック映画でシチュエーションが被るのは良くある事だし、どうせ気のせいだろうと思ってしばらくは見続けていたが、エミリー達が妊娠している女性と合流したシーンを目にした時、今まで漠然と感じていたことが一つの確信に繋がった。と言うのも本作、後年に製作された土砂崩れ映画「アースブレイク」と非常に似通っている点が多いのである。どちらも重い物の下敷きになった建物からの脱出話だし、一緒に閉じ込められている人物として妊娠中の女性が登場する。他にも業者の不正が原因で災害が起こったり、テーマとして「家族愛」を打ち出していたりと、偶然にしては類似する箇所が多すぎる。もしかして「アースブレイク」は本作のプロットを流用した作品なのでは…と疑惑が湧いてくるが、果たして真相はどうなのであろうか。
さてそんな本作だが、エレベーターやガス漏れといった脱出モノの定番小道具が上手く使われており、まずまず楽しむことができる。クライマックスに発生する巨大雪崩があまりにも納得しがたい方法で解決してしまうのはいただけないが、パニック映画としては及第点の出来栄えと言えよう。
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