ネクロポリス                「評価 B」
ドイツのフランクフルトにおけるネズミ騒動が解決してから三年後の冬、タブロックらは仲間の結婚を祝うために古風な建物が立ち並ぶ街コルノストハイムへと向かった。しかし何の因果か、ここでも彼らはネズミによる事件に巻き込まれることとなる。町外れの研究所でネズミの駆除方法を研究していたマティ博士は、ある画期的な方法を思いついた。一匹のネズミに遺伝子操作を施し、低温下で生きていけない性質を持たせる。後はそのネズミを野に放てば、交配を繰り返すことでこの性質が勝手に広まっていき、冬ごとに数が激減するという仕組みだ。そこでマティ博士が実際にネズミへ遺伝子操作を施してみたところ、ネズミは気温が下がるにつれて弱り果てるどころか熱を求めて凶暴化していった。更に気温を下げることによってネズミは一応死亡したものの、まだまだ実用化には程遠く、博士は一層懸命な研究に励んでいた。ところがそんな時、研究所の手伝いをしていた青年が、低温で凶暴になるネズミをうっかり檻から逃がしてしまった。博士に怒られることを恐れた青年は、カモフラージュとして檻の中に普通のネズミを入れてその場を凌いだ。だが半年後の冬、同じ性質を持った何千匹ものネズミが熱を求めてコルノストハイムの住民に襲い掛かったのである…。
CGのネズミが大挙して人を襲う映画の元祖、「ファングス」の正統な続編。前作はゴミ会社のストライキでフランクフルト中にゴミが溢れ、おかげで病原菌を保有したネズミが大量発生したという話だったが、本作でも同様に凶暴なネズミの大量発生に対して説得力のある設定が用いられており、それに加えて設定を明らかにするための伏線も練りこまれていて、なかなかに魅力的な構成になっている。またネズミの退治方法にも一捻り加えられ、進歩したVFX技術と共に他のネズミ映画との差別化に成功している。前半部分におけるサービスシーンの連発は少々気になるが、堅実な作りのネズミ映画だ。
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