フラッド・クラッシャー          「評価 D」
ミシシッピー川上流の地域を、五百年に一度という規模の大豪雨が襲った。たちまち川は増水し、堤防を次々と壊しては沿岸の地域を水没させていった。このままいくと、今度水没するのは農場の広がる町ベルフィールドだ。そこでハーブら住民は一致団結し、川沿いに砂の堤防を積み上げていったが、川の水面は堤防の完成を待たずに上昇する。このままでは町全体が水没するのは時間の問題であり、町を救うためにはハーブの住んでいる家を含む、一部の地域を見捨てる必要があった…。
「フラッド」の公開に合わせて製作されたTVムービー。空撮は全てニュース用に撮られた映像の流用、場面の半分近くが堤防の前で進行するというお手軽映画で、ハーブが家に対して持っている愛着が台詞だけでしか説明されておらず、クライマックスでハーブが住み慣れた家と対峙する場面がカタルシスに欠けたものになっているなど、話作りの面においても不足な点が目立つ。
だがハーブの家族が洪水に見舞われた家から脱出するシーンは、ドアを開けたら大量の水が流れてきたり、野ネズミの大群が階段を這い上がってきたりと、日常に襲いかかる災害がなかなか上手く写されており、スケールの小さい災害映画ならではの緊迫感を醸し出していた。この箇所においては、十分評価ができるパニック映画だった。
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