レディ・ジェイソン 地獄のキャンプ 「評価 C」
ローリング・ヒルのキャンプ場には、毎年多くの子供たちがサマーキャンプに来て交流を深め合っていた。だが最近の子供はマナーが悪く、しょっちゅう人目を忍んでは度を越えた交流を行っていたのである。そんな子供たちが目に余ったのは、キャンプ場で働いている女性アンジェラ。ある晩彼女は、宿舎を抜けて男子と会っていた女子を捕まえ、舌を切り取って惨殺してしまった。その後も彼女の凶行は止まらず、規則を破った子供たちは、油を撒かれてバーベキューにされたり、ドリルで穴を開けられたり、ボットン便所に押し込められたりして次々と葬られていった…。
舞台がキャンプ場という理由だけでこんな邦題になった作品。ビデオのパッケージにはホッケーマスクを被った人間が写っているが、これは劇中の子供がアンジェラを脅かそうとジェイソンに扮しているだけで、別にこの人間が殺人を犯すわけではないので悪しからず。
さて本作、内容自体はよくある普通のホラー映画だが、殺人鬼のアンジェラは生い立ちと行動原理の間に矛盾がない、なかなかの名キャラであった。昔、ピーターという男がキャンプ場で多くの人間を殺して逮捕された。ところがピーターは精神異常を認められて病院送りになり、薬やカウンセリングによって正常な精神を取り戻すような処置を取られた。結果、ピーターは悪い事を絶対に許さない正義感を身につけたので、司法は彼に性転換手術を行ない、新しい名前を与えることで社会復帰をさせた。こうして誕生したのが、不正を裁くためなら殺人だって厭わない異常精神者アンジェラだ。そんな彼女の暴れっぷりを見ていると、本作は精神異常者を裁くべきか否かということに問題提起しているように考えられないこともないが、もし製作者が問題意識を持っていなかったとしても、アンジェラの狂気の描き方には感心してしまう作品である。
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