デス・ペナルティー 「評価 B」
人里離れた森で、二十歳の女性ソニア・ブルックスの絞殺体が見つかった。死体は口に大量の新聞紙を詰められ、頭に袋を被せられた上で首を吊られていた。事件の捜査に当たったブラッドフィールド署は、彼女の殺され方が以前起こった幼女誘拐殺人事件と酷似していることに気が付いた。幼い女の子トゥルーディが変質者に誘拐され、散々体を弄ばれた上に殺された事件。この事件はグレゴリーという若い男が容疑者として捕まり、一旦は解決したかに思われたが、陪審員たちが無罪の判決を下したためにグレゴリーは釈放され、今でも未解決のままだった。警察は二つの事件が同一犯によるものではないかと推測したが、事件のプロファイリングを頼まれた大学教授トニーは、ソニアの死体にはトゥルーディの死体と違って体を悪戯された跡が無いことから、それを真っ向から否定した。同じような手口の殺人事件が相次いで発生した。そこで被害者達の繋がり調べたところ、彼女らは皆トゥルーディ事件の裁判でグレゴリーに無罪判決を下した陪審員だったことが分かり…。
イギリスのTVシリーズ「ワイヤー・イン・ザ・ブラッド」の三本目。今回もトニーの分析は冴え渡り、遺品を調べることでトゥルーディと対話するという驚くべき場面まで出てくる。また二つの事件をリンクさせる構成も巧みで、観ていて舌を巻かずにはいられない。しかし本作、一本目と比べるといまいち盛り上がらない。思うにこの作品、殺人事件が序盤に続けて発生し、それから佳境に入るまで犯人が一向に行動を起こさない。一応これは解決への伏線となっていたのだが、その間プロファイリングが大して進展しないので中だるみのように感じられるのだ。相変わらずサスペンスとしては優秀な分、この点が残念でならなかった。
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