ワイヤー・イン・ザ・ブラッド 「評価 A」
ブラッドフィールド警察署の所轄内で、独身男性ばかりを狙った連続殺人事件が発生した。被害者は全員残忍な拷問を受けた後に殺されており、犯人は異常な精神の人物であることが窺えたものの、手掛かりとなりそうな物品も少なく、捜査は完全に行き詰りつつあった。そこでブラッドフィールド署のキャロル・ジョーダン捜査官は犯人像を割り出してもらおうと、大学で臨床心理学を教えているトニー・ヒル教授にプロファイリングを依頼した…。
ヴァル・マクダーミドの「殺しの儀式」を映像化した、TVシリーズの一本目。「クライング・ドール」の項でも書いたが、このシリーズの魅力は、やはりトニーの天才的プロファイリングに尽きると言っても過言ではない。現場に残されたほんの少しの証拠から、犯人の人格を詳細に至るまで紐解く。殆ど透視の域に達している彼の分析力は、何度見ても爽快という他無い。だがこの能力を駆使しても犯人はなかなか判明せず、更にマスコミの偏向報道、警察署内の密告者、証拠の捏造と、あらゆる要素が複雑に絡まって事件は一層複雑化の様相を呈していく。最初から最後まで息を付く暇が無く、サスペンス好きなら必見の作品である(しかし「ヨーロッパ各国で放送禁止!」と過激さをアピールしているのに、拷問シーンでは細かいところをはぐらかした演出が目立ち、割とソフトな内容だったのは少し残念だったぞ)。
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