キラー・スノーマン 「評価 C」
猟奇殺人犯ジャック・フロスト。警察の車両で雪の積もる道を護送されていた彼は、ふとした事故をきっかけに脱走を図った。ところがその矢先、護送車に積載されてあった怪しい薬品を浴びて、ジャックの体はドロドロに溶けてしまう。目の前の惨劇に驚愕する警官達。溶けた体は雪に染み込み、そのまま彼は消滅したかに思われた。しかし、彼は死んではいなかった。政府の研究によって開発された、不死身の体を得る薬。ジャックはその実験体に選ばれ、事故により薬品を浴びるように仕組まれていたのである。実験は見事成功し、溶けたジャックの体は雪と一体化した。かくして、たとえ溶けても低温の環境に移動すれば復活する、冬季限定の殺人鬼ジャック・フロストが誕生したのである。護送車から離れたジャックは、最寄の町に自分を逮捕した警官サム・テイラーが住んでいることを知り、復讐をしようと町に向かった…。
案山子やトマトなど、そこら辺に転がっている物を殺人鬼にして奇抜さを狙った映画は数多くあるが、本作はそういった映画の中でも究極形の一つと言える。雪だるまを殺人鬼にするとしても、手足がないあの体では人を殺すのに色々と不都合が生じる。そこで本作の製作者は「必要だったら生やしたらいいだろ」という永井豪的発想により、殺人シーンではジャック・フロストの体にいきなり雪の手を生やすという凄まじい暴挙に出たのだ。こんな強引な設定を盛り込んでまで雪だるまを殺人鬼にしたかった、製作者の熱意には爆笑感動を禁じ得ない。
話の方は特にヒネリがなく、ごく普通のスプラッター映画なのだが、ことジャック・フロストに関してはやたらと凝っている退治方法も含め、十分すぎるほど楽しめる作品だった。
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