デス・クリーチャー 殺戮変異体      「評価 C」
アメリカ政府が極秘裏に行っていた「イソップ計画」。動物の遺伝子を操作して生体兵器を開発する計画で、その成果として政府は二体のクリーチャーを完成させた。一体は人間並みの知能を誇るゴールデン・レトリバー犬のアインシュタイン。もう一体は全身鱗に覆われた、醜悪な殺戮鬼のアウトサイダー。政府は彼らの性能をテストするため、二体が待ち構える中央アメリカのジャングルへ、ファーガソン少佐ら一小隊を派遣した。しかし予定外なことに、ファーガソンとアインシュタインは昔からの顔なじみで、アインシュタインが彼らの良き協力者となってしまった…。
ディーン・R・クーンツの原作を映画化した「ウォッチャーズ」三部作のラストにあたる、SFサバイバル・アクション(前の二作は未見)。本作では二体のクリーチャーが登場するが、アウトサイダーの方は生きた人間の首を引き千切るぐらいの活躍で、大した特殊能力も持っておらずいまいち魅力に乏しい。むしろ本作で多大な魅力を放っているのは、ゴールデン・レトリバーのアインシュタインの方である。枝を咥えて地面に字を書くというドン松五郎並のことをやってのけるこの犬は、醜悪なアウトサイダーと対照的で非常に可愛らしく描かれている。おまけにファーガソンに忠実極まりなく、隠されていた時限爆弾を見つけ出してくれたり、倒れたファーガソンに銃を持ってきてくれたりと、まるで女房の如く様々な面でサポートしてくれるのだ。
味方の兵士達がジャングルの中で毛並みがツヤツヤのレトリバー犬を見ても全く怪しまなかったり、時限爆弾の解体シーンでは御丁寧に赤と青の銅線だけが外に剥きだしになっていたり(当然どちらかを切れば停止する)と、映画自体はお馬鹿としか言いようが無い内容だが、犬好きならば天才型の犬クリーチャーが出てくる映画として、「アトミック・ドッグ」同様に押さえておきたい作品である。
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