ファイアーストーム 「評価 A」
ワイオミング州の山林で火災が発生した。そこで森林消防隊と服役中の囚人達が消火活動に駆り出されたのだが、現場に着いたところで五人の囚人が脱走を図った。彼らは消防隊の服を拝借し、炎を回避しながら協力者のいる場所へと向かう。脱走に成功すれば全員に大金が手に入る手筈になっている。幸いにも追っ手の様子は無く、このまま彼らは大金持ちになれるかに思われた。ところがその途中、囚人たちは消防隊のチーフのジェシーと出会ってしまった。ジェシーは彼らのことを応援に来た別の隊のメンバーと考え、行動を共にしようと言い出した。彼の存在を煙たく思った囚人たちは、何とかしてジェシーのことを始末しようとするが…。
山林火災の現場で勃発したジェシーと脱獄囚たちの戦いを描いた、アクション映画の快作。冒頭はいかにも森林消防隊の活躍を描いたパニック映画であるかのような作りになっているが、囚人が脱走してからはジェシー以外の隊員は脇に追いやられ、問答無用のアクションシーン連発が始まる。これが製作者のアクションへの拘りが画面の向こうからひしひしと伝わってくるような素晴らしい出来で、山小屋で取っ組み合っていると天井が崩れ落ちてきたり、走行中の車にチェーンソーをぶん投げたり、全速力のバイクで崖から飛び降りたりと、ド派手な見せ場が続々と出てきて、観ている側に殆ど休む暇を与えてくれないノンストップぶり。同じ山火事現場を舞台にしたアクション映画でも、割と地味目だった「ファイアー・ファイト」よりも遥かに興奮できること請け合いだ。また観客の殆どが忘れていた伏線を持ってきたラストシーンも気が利いており、本作はB級アクションのお手本のような映画だった。
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