アステロイド2 「評価 D」
南米ペルーの小さな村が、空からの隕石によって消滅した。だがこれは始まりでしかなく、数日後に落下してくる隕石は確実に地球を滅亡させてしまう威力を持っている。そこでアメリカ政府は隕石を迎撃しようと、かつて隕石を迎撃するシステムの開発に携わっていたコーベット博士を呼び寄せようとした。ところが隕石の情報を手に入れたカルト教団が、「いよいよ裁きの時が来たんだ! この時を政府に邪魔されるわけにはいかない!」とコーベット博士を誘拐してしまった。そこでFBIのタイレル捜査官は、昔カルト教団と繋がりのあった男リースと協力し、大至急博士の救出に取り掛かる…。
90年代後半に起こった隕石映画ラッシュも、末期になると「タイカス」のような珍作怪作が続々と作られるようになった。本作もそんな頃の作品なので、当然ただの隕石映画でおわるはずがない。なんと本作、隕石映画の名を借りたアクション映画だったのである。と言うのも、話の殆どはカルト教団とタレイルの攻防に費やされており、本来目玉であるはずのカリフォルニアに隕石が落下するシーンや巨大隕石を軍の兵器が迎撃するシーンなどは実にあっさりと終了してしまうのだ。作品中で隕石は紛れも無くオマケ扱いで、本作を隕石映画と思って観賞すると確実に泣きを見ることになるぞ。
また、アメリカが隕石のことを諸外国や国民に知らしめている様子が無く、全人類を滅亡に追いやる隕石が完全にアメリカ政府内の問題として取り扱われているのも、何だか現実から離れているように感じられた。こういう時こそ隕石の存在を世界中に知らせてアメリカ政府の威信を高めるチャンスだというのに、本作の政府は謙虚なことにそれをしない。まあカルト教団みたいな連中が次々と出てきて迎撃を妨害する危険だって出てくるが、それでも人類の危機を知らずに呑気に暮らしている街の人々を見ていると、やっぱり知らせるべきなのではと個人的には思うのだが…。
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