モンスター・イン・ザ・クローゼット 暗闇の悪魔   「評価 B」
カリフォルニア州の大学都市では、住民がクローゼットの中に引きずり込まれて殺されるという怪事件が連続して起こっていた。被害者たちの体には刃物で刺されたような傷が二つ残されており、そのことからペニーワース博士は事件の犯人は巨大な蛇ではないかと主張したところ、すっかり周囲の笑いものになってしまった。だが新聞記者のリチャードだけは彼の話に興味を持ってくれたので、博士は家族とリチャードと共に犯人の正体を探ろうと夜の町を探索した。懸命な調査の甲斐あり、彼らは真犯人と遭遇する。しかしその正体は蛇ではなく、巨大な口から蛇のような第二の口が飛び出す、エイリアンみたいな風貌の怪人だったのである…。
トロマ社製作のホラーコメディでありながら、邦題に「悪魔の毒々〜」と付けられなかった稀有の作品。本作に登場するエイリアンもどきのモンスターは、トロマらしからぬ丁寧な造形が目を引くが、クローゼットの中に入って定期的に「押入れエネルギー」を補充して生きているというヘンテコな設定がやっぱりお馬鹿。ラストでその設定を逆手に取られ、前代未聞の方法で始末される辺り、実に惨めな奴だった。また本作、「怪物を殺すな! 話せばきっと分かり合える!」と言っていた博士があっという間にモンスターに殺されたり、日本が映るカットでは侍が刀を振り回していたりと、ベッタベタなギャグがこれでもかと繰り出され、あまりにもの下らなさに思わず笑いが込み上げてくるのは流石トロマ(特にラストシーンの「キングコング」のパロディは絶品)。改めてトロマという会社の底力を感じてしまった作品だ。
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