悪魔のゾンビ天国         「評価 D」
アメリカのチンケな田舎町には、密造酒を製造しては町の人間に売りつけているキ○ガイ一家がいた。彼らはある日、米軍が落としていった黄色いドラム缶を見つける。怪しい液体の入ったドラム缶にはプルトニウムのマークがしっかりと描かれていたのだが、田舎者の彼らはそのマークが何を意味するのかさっぱり分からず、「よおし、この液体を蒸留して酒を作るべよ!」と新しい酒の材料にしてしまった。こうして完成した毒々酒は町中の人間に配達され、大人も子供も赤ちゃんも喜んで酒を飲み干した。ところがその時、酒を飲んだ人々の体はドロドロのゾンビに変わり、酒を飲まなかったキャンプ客らを襲い始めた…。
トロマ社配給の毒々シリーズの中でも、安っぽさなら他の追随を許さない本作。なんと撮影が全編ビデオカメラのみで行われており、使われる特殊効果もスプライトや色の反転など単純な画像処理のみという、まるでインディーズ映画みたいな映像世界が広がっているのである。登場するゾンビも、最初の数体こそ顔がドロドロに溶けたどぎついメイクをしているが、クライマックス辺りになるとメイク係がストライキでも起こしたのか、目の周りを黒く塗っただけのお手軽ゾンビが大量に出てくるようになる。こんな風に端から端までスタッフ達の「早く完成させて帰って寝るべ」的考えが垣間見える作品だが、このチープさのおかげで毒々酒を飲んだ時のトリップシーンは、思わず吐きそうになるくらいに気持ち悪く仕上がっていた。また人肉喰いなどグロテスクなシーンだけはちゃんと充実しているので、スプラッター好きならそこそこ楽しめる作品だった。
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