エイリアン・プレデター            「評価 D」
1979年、NASAの実験用宇宙船スカイラブが軌道を逸れて大気圏内に突入。機体はスペインの町ドゥアルテへと落下した。それから五年後、マイケル、デーモン、サマンサの三人の男女が、ヨーロッパ旅行の途中でドゥアルテに立ち寄った。しかし町の人々の様子がどこかおかしい。無表情で鼻血を流していたり、顔にガラスの破片が刺さっても平気だったりと、明らかに常軌を逸していたのである。この異変に気づいた三人は、町に滞在していたNASAの男と出会い、恐ろしい事実を聞かされた。かつてスカイラブの中では、アポロ14号が月面で回収した寄生生物の調査が行われていた。それが落下に伴い町中にばら撒かれ、住民の体は寄生生物らに乗っ取られてしまったのである…。
最近直接対決が実現した二大モンスターの名を繋げたような、贅沢極まりないタイトルが印象的な本作。でも製作されたのは「プレデター」より前で、当然ながら作中にはどちらのモンスターも登場しない。実際の内容は宇宙から来た微生物によって町中が狂人になるという「アンドロメダ…」meets「ザ・クレイジーズ」な映画だ。本作に登場する寄生生物はクモのような成体こそチープそのものだが、寄生された人間の腫れ上がったメイクや、寄生生物が人間の体を突き破るシーンなどはなかなかリアルな出来で好印象だ。
しかし本作、寄生生物の侵略SFでありながら主人公三人の三角関係話を重視しており、全編これでもかとぬる〜い空気が漂っていた。映画の中盤辺りになっても主人公達は痴話喧嘩や恋愛話に明け暮れ、なかなか本題に入ろうとしない。これが町の異様なまでに静かな様子と不釣合いで、侵略SFの要と言うべき緊迫感が大きく削がれているのである。この空気に巻き込まれてか、本作はクライマックスまでダラダラと引っ張りすぎな感があり、観ていて疲れること確実。脚本面に関してはあまりにも評価しがたい作品だった。
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