ヘル・ゴースト 悪魔のスケアクロウ        「評価 C」
ペンドルトン基地から空輸される予定だった数百万ドルもの現金が、飛行機とパイロットともども強盗団によって盗み出されてしまった。パイロットは娘を人質にとられているので抵抗する素振りも見せず、このまま強盗団は無事逃げ切れるかに思われた。しかしこういう時に限って出てくるのが裏切り者というもの。強盗団の一人が金を独占しようと、札束の入った袋ごとパラシュートで飛行機から飛び降りてしまった。強盗団達はすぐさま飛行機を着陸させ、男が降下していった森へと向かった。探索の果てに、彼らは無人の民家に辿りつく。かつて農場を経営していたのか、民家の周りには磔になったカカシが何体も放置されていた。このカカシ達を不気味に思いながらも、改めて消えた男を捜そうとする強盗団。だがその時、カカシ達が突然動き出して彼らに襲い掛かった。この家の住民達は何らかの超自然的な現象により、全身ツギハギだらけのカカシ人間になっていたのだ…。
人の心を宿したカカシが生きた人間を殺して回る、あの「案山子男」を十年以上も先取りしていたホラー映画。本作のカカシ人間は胴体に何発銃弾を受けても死なないだけでなく、殺した人間を新たなカカシ人間にしてしまうサービス機能付き。強盗団の面々が内臓を抉られてツギハギだらけのカカシ人間にされる様は、なかなかショッキングである。他にも本作は視覚に訴える描写が充実しており、鋤によって手が地面に釘付けにされたり(しかも逃げるために無理矢理手を引き千切る!)、ナイフで腕を串刺しにされたりと目を背けたくなるような場面がザクザク出てくる。舞台が夜の森なので、時折何をしているのか分からない場面があるのが不満だが、スプラッター映画としてはまずまずの出来だった。
GO TO TOP!!