悪魔の毒々モンスター 毒々あにめいしょん!    「評価 C」
地球征服を企むゴキブリ型宇宙人、ドクター・キレモフ。放射能で汚染された環境が大好きな彼は、平和な町トロマビルに大量の放射性廃棄物を送り込んだ。ところがそこで、彼にとって予想外の出来事が起こってしまう。お馬鹿な青年メルビンが廃棄物の詰まったドラム缶に頭から突っ込んでしまい、ファンキーでパワフルな毒々モンスター「トクシー」になったのだ。トクシーは悪人を感知すると股間がムズムズしてきて退治せずにはいられなくなる体質で、同じく廃棄物を浴びて意思を持つようになったモップ君と共に、悪人からトロマビルを守る組織「トクシック・クルセイダーズ」を結成した。キレモフはゴミ怪獣を送り込んだり、食べるとジジイババアになってしまう毒入りフライドポテトをばら撒いたり、老人ホームから老人を追い出したりと、数々の悪事を働くものの、ことごとくトクシーや彼と同類の毒々モンスター達によって阻止されてしまった。何とかしてトクシーを倒そうと考えるキレモフだったが、そんなある日のこと、彼の母星から遊びにきたゴキブリ皇女がトクシーに一目惚れし、トクシーと結婚したいと言い出した。それを聞いたキレモフは、自らが母星の王になると同時にトクシーも始末してしまう、一石二鳥のプランを思いつくのだが…。
本作はトロマ社が91年に製作した、シリーズ番外編とも言うべきアニメ映画だ。メルビン変身までの流れや、トロマビルの腐敗しきった上層部とそこに付け込む悪の組織など、基本的な展開・構図は第一作に忠実だが、内容そのものは総勢五名もの毒々モンスターが登場して、各人の特技や特殊能力を生かして戦うという「宇宙忍者ゴームズ」テイストなものになっている。また子供向けを意識してか(?)、本作には毒々モンスターシリーズの一本でありながら残虐的な要素が一切無い。メルビンの残忍さが大人しくなっているのにはガッカリしたが、これだけ改変されても本作はやっぱりトロマの映画だった。トクシー達に向けて四方八方から何十発と撃ったレーザー銃が、絶対に命中しない戦闘員達。毒入りフライドポテトを作るために、わざわざジャガイモの栽培から取り組ませるドクター・キレモフ。そして正義の味方のくせに言動がことごとく下品なトクシー達。と、全編「狙ってやってるだろ!」と叫びたくなるようなネタのオンパレード。アメリカ製カートゥーンのチープな部分を濃縮したような、シリーズ本編とは別の味がある作品だった。
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