悪魔の毒々ハイスクール3 ダブル・ヒューマノイド  「評価 B」
前回、リス怪獣の襲撃により崩壊したトロマビル。住民達の手で復興が進む中、人造人間ビクトリアはロジャーとめでたく結婚し、この度身篭っていた子供を出産することとなった。ヘソの口から元気で緑色な赤ん坊を産み出したビクトリアだが、その時のショックで彼女は死んでしまう。ロジャーは悲しみながらも遺された子供にアドレーという名前をつけ、大切に育てることを決めた。人造人間と人間の子供ということがあってか、アドレーは驚異的スピードで成長し、二年もしたら立派に成人して復興したトロマビル工科大学に通うようになった。しかしロジャーは気づいていなかったが、ビクトリアはもう一人の子供を産んでいたのである。誕生直後にニュークママ財団のスラグ博士によって連れ去られた子供はディックと名づけられ、財団の野望達成の手駒とするべく悪の教育を受けて育てられていた。なんでも人造人間と人間の子供には物質をプルトニウムに変える能力があるらしく、スラグ博士はその能力を悪用してトロマビルを放射性物質だらけにしようと企んでいたのだ。ところがその能力はディックとアドレーの二人に分割されてしまい、一人ではせいぜい原子炉にプルトニウムを供給するのが精一杯だった。そこでスラグ博士はホルト教授の開発したクローン兵団に命じ、アドレーを誘拐しようとするが…。
「カブキマン」ことブリック・ブロンスキーが、ロジャー、アドレー、ディックと一人三役を演じたシリーズ第三弾。冒頭二十分ぐらいが前作の映像の使い回しという超低予算映画なため、当然アドレーとディックが一緒に映る場面では合成なんか使えず、必ずどちらかが後ろを向いているという「怪獣王ゴジラ」手法が用いられている。また本作は予算の都合で、クリーチャーも大幅にスケールダウン。人造人間による悪夢のような出産シーンは本編に二回用意されていたが、それ以外にはショッカーの怪人みたいなクローン兵団が三体出てくるだけである。第一作・第二作のようなクリーチャー大暴れを期待していた私にとって、これにはガッカリさせられたが、それでも能力を使うアドレー達の手が明らかにプラスチックだったり、エンドロールが衝撃的なものだったりと、低予算を逆手に取ったギャグが散りばめられているのは流石と言うほかない。勿論チープな雰囲気はシリーズ随一の作品である。
トロマ映画一覧へ
GO TO TOP!!