悪魔の毒々ハイスクール2 ヒューマノイド・パニック  「評価 A」
前回の騒動で瓦礫と化したトロマビル高校に代わり、原子力発電所の敷地内に新たに建てられたトロマビル工科大学。そこに通うロジャーはワキガが原因で女にモテない日々を送っていたものの、ある日ホルト教授の実験で知り合ったビクトリアという女性に一目惚れ。今一度再会を願うロジャーだが、実は彼女はホルト教授が開発した人造人間だった。トロマビル工科大学ではニュークママ財団からの指令で、未来の労働源となる人造人間の開発に取り組んでおり、先日の実験も人造人間の性能を試すための物だったのだ。そうとは知らず、大学内で清掃員をしていたビクトリアに再会し、愛を語るロジャー。心を持たないはずの人造人間ビクトリアも、やがて熱心なロジャーを愛するようになり、二人はこのまま結ばれるかに思われた。ところがその幸せも束の間、ビクトリアが子供を身篭ったことを知ったホルト教授は、彼女を大学の研究室に監禁してしまった。怒りに燃えたロジャーは立ち上がり、学生達を率いて研究室に突入する。彼らは武装した警備員と衝突し、研究室は瞬く間に戦場に。一方その頃、廃棄された人造人間の肉片を食べたリスが巨大化。醜悪で可愛いリス怪獣となり、トロマビルの町を破壊し始めた…。
トロマ社の看板タイトル「悪魔の毒々モンスター」シリーズがひと段落した後、急に製作されたシリーズ二作目。前作ではエイリアン2型が強烈なインパクトを振りまいていたが、本作にも多彩な種類のクリーチャーが登場し、百鬼夜行さながらの大暴れをしてくれる。まず登場するのが、ビクトリアを初めとした人造人間たち。彼女らの本体はヘソの中にあり、ヘソには顔と同様の口が付いている。ヘソの口がパクパク動くだけで親指シリーズに匹敵する不気味さが感じられるのだが、人造人間たちはその口でタバコを吸ったり、口づけをしたりと悪夢のような光景を繰り広げる。更に人造人間たちは劇中で度々故障を起こし、人間の形をした表層部分がドロドロに溶けて緑色の本体が露になっていく。この様子がまたグロテスク極まりない描かれ方をしており、トロマ社の悪趣味さ加減が爆発しているのである。そして続いて登場する、ホルト教授の開発した合成生物達。全部クレイアニメーションで動かしている凝りように反し、虫の体を持った学生、頭髪の生えたトカゲ、尻の大きいイルカと、何の役にも立たないお馬鹿生物ばかりで、特にイルカは登場する度にゲロをぶち撒けるというアホっぷりがたまらない。こんな連中に脱力しつつ話がクライマックスに差し掛かると、いよいよ出てくるのが真打の巨大リス怪獣。ケロイドのように顔の半分が爛れているのが微妙にスペル星人だが、今までの下品クリーチャーの集大成と言わんばかりにゲロと涎と小便を垂れ流しながら町を破壊していく様は色んな意味で衝撃的だ。一作目に比べると話の筋が薄れ、話があっちにいったりこっちにいったりしているように感じられるのは残念だが、実にトロマらしいお下劣で汚いテイストに溢れた映画である。
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