ファイヤーインフェルノ          「評価 C」
モンタナの森林消防隊に所属する青年、ドン・マッケイ。彼は行きつけのバーで働いていたルネと結婚し、子宝にも恵まれ幸せな日々を送っていた。しかし森林消防士の仕事は長い間家を留守にすることが度々あり、やがてドンとルネの心は擦れ違うようになってしまった。何とかやり直したいと思う二人。とそんな時、コロラド州で大規模な山火事が発生し、ドンは消火のために家を出て行った…。
「1994年に実際に起こったコロラドの大火災。この映画はそれに立ち向かっていったドン・マッケイとルネの物語である」というテロップが冒頭に流れる本作。だからてっきり山火事を扱ったパニック映画と思いきや、意外にも劇中に何度か挿入される山火事の場面はどれもアッサリと終了し、ドン・マッケイとルネによるホームドラマが話の中心に据えられている作品だった。出会いから結婚、倦怠期とカップルなら誰もが辿っていく過程が綴られ、二人とも人並みの人生を送る人間として描かれている。そしてクライマックスの大火災でも、彼は大きな活躍をすることはなく、あくまでマニュアル通りの仕事をこなし続けていた。そう、この映画にはヒーローが一切登場しないのだ。おかげで映画はちっとも盛り上がらないのだが、地味で大変な消防士という仕事の現実をありありと描いた、異色の映画と言えるだろう。
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