スリル ジェットコースター爆破計画        「評価 D」
ワイルドデューン遊園地で一番人気のアトラクション、ジェットコースター「スリル」。連日大勢の来場者がスリルに乗ろうと行列を作っていたが、ある日それまで正常に動いていたはずの制御機械が突然言う事を聞かなくなり、ブレーキが一切作動しなくなってしまった。コースを一周しても止まる気配の無いジェットコースターに、驚き戸惑う乗客達。従業員のカールが手動でブレーキを操作して騒ぎを収めたものの、これは全ての始まりでしかなかった。ワイルドデューン遊園地には最近売却の話が持ちかかっており、オーナーのテレッサの元には売却に反対する男からの脅迫めいた電話が頻繁にかかってきていた。しかしテレッサがそれを無視し続けたため、彼は遊園地のあらゆる乗り物に細工し出したのである。テレッサの弟ジャックは遊園地の異変を察知し、犯人の正体を暴き出そうとする。
「ジェット・ローラー・コースター」「ブレイジング・パーク」と並ぶ、非常に希少な遊園地パニック映画の一本。本作は予算の限られたテレフィーチャーでありながら遊園地を貸し切ってロケを行っているので、「如何に短い時間で撮影を終わらせるか」という重大な問題が製作側にもあったのだろう。遊園地内のシーンは殆どが何箇所かの同じ場所で撮影されたカットを繋ぎ合わせたものになっており、製作者の苦心の跡が伺えるものの、おかげで遊園地の広さがいまいち感じられなくなっているのはどうしたものか。舞台の見せ方が肝となる作品で、この閉塞感は大きな痛手である。またクライマックスでは「走り続けるジェットコースターにしがみ付きながらの爆弾解体」という、折角シチュエーションを上手く利用した見せ場が用意されていたにも関わらず、揺れるジェットコースターに翻弄されることなくスムーズに解体作業をしてしまう。「未来」についての登場人物間のやりとりは興味深いところもあったが、パニック映画としては良い点をあげられない作品だった。
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