ヴァンパイアVSゾンビ 「評価 D」
アメリカは今、ある奇病によって恐怖に陥っていた。人を吸血鬼に変えるこの病気は、噛むことによって別の人間へと感染していき、物凄い勢いで患者の数を増やしていったのだ。この奇病を治すためには、発生源であるオリジナルの吸血鬼カミラを倒すしかない。そこでトラビスとジェンナの親子は人類を救うためにカミラを探す旅に出るのだが、そんな彼らの前に人喰いゾンビの群れが立ちはだかった…。
ううむ、凄い。凡人には到底理解不能、意味を成さない記号の集成としか形容できない怪作の登場だ。ジェンナに吸血鬼除けのお守りを渡す魔女、一本道で消えるパトカー、そして奇病の解明に取り組んでいるらしい機関など、あらゆる要素が点として登場するだけで、一つの映画としてはこれっぽっちも纏まってない。その上場面と場面との間に、夢なのか現実なのか過去なのか未来なのかさっぱり分からない謎のカットが挿入されるものだから、観ている方としてはひたすらに困るばかりだ。またゾンビのメイキャップが顔を黒く塗っただけという実に経済的なものだったり(もちろん両手は健康そうな色をしているぞ)、トラビスがゾンビにチェーンソーを使うカットでは血飛沫が飛ぶだけで全然切っているように見えなかったりと、全編学生が暇つぶしで作ったようなムードに溢れたこの映画。真剣にストーリーを追いかけようとしても混乱するだけなので、胸に杭を刺されるヴァンパイアや内臓を貪るゾンビなど、グロテスクな描写のみを注目して観るのが相応しい作品である(一応映画のラストには「ギニーピッグ」に匹敵するリアルな内臓描写があります)。
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