悪魔の毒々プラトーン         「評価 B」
冷戦真っ盛りの頃。トロマヴィル航空の旅客機が、エンジントラブルでキューバ領の小島に墜落した。被害は夥しく、多くの乗組員や乗客の死体が並ぶ中、辛うじて生き延びた十数名はこれからどうするべきか話し合おうとした。ところがそんな時、彼らの前にソ連兵が現れ、突如として襲い掛かってきたのである。何とかソ連兵は撃退したが、その後も次々と新手の兵がやってくる。なんとこの島にはソ連軍の秘密基地があり、島に侵入した乗客たちは米軍のスパイと見なされたのだ。それを知った乗客たちは「こうなったら戦うしかない!」と考え、自ら武装してソ連軍に立ち向かっていった…。
ごく普通の民間人が訓練されたソ連軍を皆殺しにするというお馬鹿戦争映画。まず冒頭の機内アナウンスが傑作である。「皆様、機長のヘイデンです。お食事中恐縮ですが、非常事態が発生しました。右手をご覧ください。エンジンが燃えております。左からはカリブ海が急速に近づいてまいります。現在計器類は機能しておりませんので、皆様ベルトをお締めください。トロマヴィル航空を代表してお詫び申し上げます。お飲み物は無料に致しますので、乗務員にお申し付けください。ありがとうございました──」これから墜落するとはとても思えない脱力ぶりで、のっけから観る者を笑わせてくれるのだ。そして本作もやはりトロマ独特の悪ノリが炸裂しており、拷問で人の舌を抜いたり、エイズに感染した者を兵器として利用したり、ソ連軍のキャンプにはフリークスがいたりと、悪趣味なネタがこれでもかと散りばめられている(クライマックスでは何故か一瞬だけ忍者が映ります)。話はいつものように御都合主義に満ちており、特にラストは「ハドソン・ホーク」を彷彿とさせる物で観る人にとっては激怒すること必至なのだが、テンポはいいので何も考えないで観ることができる娯楽作だ(あと映画の最後、スタッフロールが終わった後にも極限にふざけたオチが待っています)。
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