悪魔の毒々おばあちゃん         「評価 B」
大きな屋敷に住む老姉妹に、このたび百何度目かの誕生日が訪れた。そこで子や甥や姪など、総勢十数名にも及ぶ親戚達が彼女らの屋敷に集まり、みんなで誕生パーティーを開いてくれる運びになったのだが、実はこの親戚達、誰一人として誕生日を祝福しようだなんて思っていなかった。もうじき死ぬであろう老姉妹の莫大な財産にありつくための、御機嫌取りとしか考えていなかったのである。しかしパーティーの途中、そんな彼らに天罰を下すが如く、会場に小さな箱が贈られてきた。それは悪魔崇拝者クリストファーからのプレゼントだったが、老姉妹は何の気なしに箱を開けてしまう。すると中から白煙が噴出し、姉妹は世にもおぞましい不死魔人へと変貌を遂げたのである!
御存知我らがトロマ社製作による、「邦題だけ毒々シリーズ」の一本。「これは彼女らの死を望んだ我々に対する、神からの天罰だ!」なんて登場人物の台詞が象徴するように、基本的には醜い欲望を持った大人達が懲らしめられるという教訓オチになっているのだが、そこはトロマ。欲望なんかこれっぽっちも無い純真な子供まで容赦なくぶち殺すわ、死体の内臓でお手玉するわ、オッサンの背骨をボキボキ折って二つに畳んでしまうわと、テーマそっちのけでお決まりの鬼畜路線を突っ走ってます。また今回はオカルトということで、十字架が重要なアイテムとして出てくるのだが、その使い方が凄い。老婆の額をぶん殴って血をピューと出させたり、クリストファーの箱をガンガン殴って破壊したりと、完全に鈍器扱いです。物語のラストで「神様は助けてくれない」なんて台詞があったが、十字架をそんな風に扱っては助けてくれないのも無理は無いように思えます。とまあこんな感じで、老姉妹が魔人になってからは笑いどころが満載のこの映画。前半部分ではごく普通のホラー映画っぽい雰囲気を漂わせている分、その落差もまた可笑しいのだった。
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