コンバッション 「評価 C」
平和だったミルウッドの町で、突然下水道や地下室での火災が多発するようになった。消防署の人々はこれを放火によるものと見るが、土木技師のスコットは現場の壁や床にひびが入っていることから、地下に溜まったガスが噴出しているのではと睨んだ。彼の考えは正しく、町外れでは業者が廃棄された石油採掘場から石油を抜き取ろうと違法な掘削作業を行っており、その衝撃で岩盤が崩れ、町中へとガスが漏れていたのである。だが業者と癒着していた消防署長は、その事実をひた隠しにしていた…。
火災や地震ではない、ガスによる災害を描いた珍しいタイプのパニック映画。地下にいた人間は充満したガスを吸って気を失うだけでなく、その間に火や静電気でも発生したら即座に爆死してしまう。このように本作では災害を段階的に生じさせており、ガスの恐怖をより引き出そうとしているのだが、いかんせん演出が淡白で、本来なら盛り上がる場面でもさほど緊迫感が感じられないのが難点である。またクライマックスもこれといった見せ場も無く終わってしまい、パニック映画としては何だか味気ない。しかし本作、悪役の消防署長や掘削業者も含め、あらゆる登場人物が自分に正直で人間味に溢れており、とても親しみやすい。パニック描写はいまいちだが、面白いと言えば面白い作品である。
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