アメリカン忍者          「評価 B」
東南アジアのソノラに置かれている米軍基地。ある日そこのリーダーである大佐の愛娘を乗せた車が、謎の忍者軍団による襲撃を受けた。彼らの見たこともないような技に対し、護衛の兵士達の殆どが成す術も無く倒されていく。だが記憶喪失の兵士のジョーだけはどういうわけか忍者たちの技を巧みに回避し、大佐の娘を連れてジャングルの中に逃げていったのである。これによって大佐の娘は助かったものの、日ごろ軍から厄介者扱いされていたジョーは大した感謝もされず、むしろ「この野郎、気取りやがって」と一層周りから酷い仕打ちを受けるようになったのだ。一方その頃、米軍基地近くの農場では闇商人オルテガがリナルド軍曹と共に、軍のミサイルを横流しして一儲けしようと企んでいた。オルテガはまた私兵として忍者の育成にも取り組んでおり、先日の襲撃事件も彼のお膳立てによるものだった。大佐の娘を誘拐して大佐を脅せば横流しもしやすくなるという手筈だったのだが、それがまんまとジョーの手により阻止され、怒ったオルテガはジョーの元に忍者軍団を差し向ける。しかしジョーは簡単にはやられなかった。何故なら彼は日本人によって武術を教え込まれた、アメリカン忍者だったのである…。
ニンジャ・ブームの火付け役「燃えよニンジャ」と同じ製作者によって作られたこの映画。忍者の描写は割といい加減で、忍者が和太鼓をドンドン叩いて敵襲を知らせたり、九字の印が「陣・列・在・前」の四つしか出なかったり、仕舞いには当たったものを爆発させる恐怖の殺人光線を放ったりと珍場面に溢れている。だが全体として見ると本作、ジョーと大佐の娘のラブロマンスやオルテガの刺客とのバトル、そして師匠の口から語られるジョーの過去など、様々な要素が一時間半の上映時間の内に上手に纏められており、構成の巧みさに思わず舌を巻いてしまう。またクライマックスの乱闘も、ジョーと師匠のWニンジャ・アクションと、ジョーの親友によるコマンドー・アクションの両方に十分な見せ場が用意されており、ニンジャ映画好きだけでなくコマンドー映画好きにも満足のいく仕上がりになっているのだ。忍者の描写を除けば全般的に丁寧に作られている、ニンジャ映画の見本とも言うべき作品である。
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