デス・オブ・ザ・ニンジャ 地獄の激戦       「評価 B」
フィリピンで、観光バスがテロリストのハニー・ハンプ大佐に乗っ取られるという事件が発生した。麻薬商アルビーと共謀した彼女は、大使館爆破未遂の罪で政府刑務所に収監されている重罪人モハメド・ラジを釈放したら人質を解放すると申し出てきた。だがラジ釈放のリスクを考えた政府は、国際テロ対策チーム「ダート」に対し、人質の救出とテロ組織の壊滅を依頼する。甲賀忍者のスパイクを始めとするダートの面々は、早速フィリピンに渡り組織のアジトを探り始める。だが間もなく人質の一人が殺害されると、とうとう政府はラジの釈放を決めてしまった…。
ショー・コスギとケイン・コスギの親子が共演している、恐らく最初の映画がこれである。クルクル踊るタイツ姿のダンサー達の側で、上半身裸&赤い鉢巻のショー・コスギが刀を振り回すオープニングには度肝を抜かされるものの、作品自体は至って正統派のアクション映画であり、「兜」や「ニンジャV 転生ノ章」のような馬鹿な日本人描写も皆無だ。それどころかスパイク(ショー・コスギ)が日本で伊賀忍者と戦う場面や、迷彩服を着たスパイクが敵忍者相手に死闘を繰り広げるクライマックスなど、理想形と言っても過言でない忍者アクションがこれでもかと炸裂してくれる。特にクライマックスのスパイクは、忍装束を着ておらず、銃などの近代兵器で武装しているというのに、忍者アクションだと一目見て分かるような戦い方をしてくれるのだ。同じ近代兵器で武装したニンジャでも、全然ニンジャっぽく無かった「戦場のニンジャ軍団」とは一味も二味も違う。ショー・コスギの面目躍如、ニンジャ映画ファンならば感動すること間違い無しの名シーンだった(敵忍者が何の前触れも無く登場したのは気になったが)。他にもまだ十歳に満たないであろうケイン・コスギが見事なヌンチャク・アクションを見せたり、ラストでアルビーが惨め極まりない死に方をしたりと、見所に富んだ本作。かなり佳作の部類に入るニンジャ映画である。
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