ザ・ニンジャ・シティ           「評価 C」
ベトナム人の兄弟、ロニー・クワンとジェリー・クワンは幼かった頃、ベトコンに襲われそうになっていたところをグリーン・ベレーのタイガーに助けられ、命を救われていた。その後アメリカに渡った兄弟は共に逞しく成長したのだが、一方でタイガーは犯罪に手を染め、今や全米を牛耳る麻薬組織の重鎮となっていたのである。N.Y.市警の麻薬課に所属していたロニーは複雑な気持ちでタイガーを追い、ジェリーの婚約者である記者のペニーもまた、タイガーの悪事の尻尾を掴もうと躍起になっていた。ところがジェリーとペニーが結婚式を挙げた日、背信を企てたタイガーの組織の者が、ペニーに小さなネガフィルムを渡した。それを現像してみると、タイガーと麻薬売人らが会っているところが写っているではないか。これで証拠が掴めたと喜ぶペニーだったがその矢先、事情を掴んだタイガーの部下達が彼女を誘拐してしまう。ネガが彼女の手になかったので、彼らはジェリーに「写真を渡さねばペニーを殺す」と脅しをかけてきた。そんな彼らのやり口に、忍術の達人ジェリーの正義の炎が燃え上がる!
ニンジャ映画のくせに、ニンジャが画面に映る時間が極端に短い作品である。冒頭で謎の黄金忍者と化したジェリーが任務を遂げる場面が出てきて、続いてタイガーが忍者を育成する施設を作っているのが紹介されるのだが、それから凡そ一時間近くもの間、忍者は劇中にパッタリ登場しなくなる。その間ジェリーはずっと普段着で戦うし、タイガーが差し向ける刺客も忍者ではない。そしてジェリーが忍術の達人だと明かされ、漸く忍者映画っぽくなるのが映画の終わりも差し迫った頃なのである。それまでのアクションシーンも、ロニーが敵の脳天に手斧を振り下ろして血がピューと噴き出るなんて残酷シーンがあったりして結構楽しませてくれるのだが、やはりニンジャ映画は忍者が出てからが正念場だ。その後の敵忍者とジェリーの大乱闘は溜まっていたものを全て吐き出すかのような素晴らしい出来で、 手裏剣や癇癪玉がこれでもかと言う位に飛び交うので盛り上がること盛り上がること(特に今流行のワイヤーアクションをいち早く取り入れたものと思われるカットは必見)。しかも最後には、タイガーまでもが白い忍装束を着てジェリーと戦い出す! それまでタイガーが忍術を学んでいるような描写が無かったので、これにはたまげた。最後の終わり方が余韻もクソも無かったのが残念だが、クライマックスの大乱戦は実にニンジャ魂に溢れた作品であった。
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