少林寺VS忍者           「評価 B」
香港の御曹司アトウは、この度日本人女性のユミと結婚することになった。ところが日本武術を嗜んでいるユミは、アトウの家に着くなりやりたい放題。練習と称して家の塀や石膏像を蹴り壊したり、アトウの道場を勝手に改装したりと、そのあまりにも無茶苦茶ぶりにとうとうアトウの堪忍袋の緒が切れた。少林寺拳法の達人であったアトウは日本刀や槍を振り回すユミを軽く捻じ伏せ、ユミが忍術を使い出すと「勝つために手段を選ばないのは卑怯者だ」と一蹴した。すると今度はユミが怒り出し、「日本文化に理解の無い人とは暮らせません! 実家に帰らせていただきます!」と日本に去ってしまった。その後、完全に別々の生活を送る二人。やがて寂しくなったアトウはユミに、中国拳法の偉大さも理解して欲しいという内容の手紙を送った。それを見たユミは香港に戻ることを決めたものの、この手紙が彼女の通う道場の連中の目に留まり、事態は急変した。手紙の文面を「日本の武術なんて中国の武術をパクっただけで大したことないぜ〜」と解釈した道場の実力者たちは、「これは日本武術への挑戦だ!」と怒り狂い、ユミと共に香港へと向かった。そしてアトウに対し、一日一戦の七人抜き試合を申し込んできたのである!
日本武術と中国武術が正面からぶつかりあい、互いの技の限りを尽くすという、カンフー好きにはたまらない作品だ。前半のアトウ&ユミ夫妻による御国自慢勝負で日本と中国の刀や槍の違いを明確にしておき、後半の七人抜き勝負ではその差を生かした刀や槍の日中対決を出したり、空手vs酔拳、ヌンチャクvs三節棍など、実に多種多様な技の応酬を見ることができる。また本作、香港映画だからなのか忍者の描写が現実に即したものになっている。変わり身の術、煙玉、撒き菱など、かなり本格的な忍者アクションが炸裂するので、忍者好きでも決して幻滅することはないだろう。ストーリーは滑稽極まりなく、前半と後半がまるで別の映画のようになっている上、常識の欠けたユミの態度が同じ日本人として恥ずかしいことこの上ないのだが、アクションに関しては非常に楽しめる映画だ。
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