戦場のニンジャ軍団           「評価 D」
ベトナム戦争が終結してから数年の時が過ぎた。しかしベトナムで捕虜となったきり、未だに解放されていないアメリカ人が多数いるらしい。そこでアメリカで忍者の育成に取り組んでいるヒロシ老人は、クリス、ディック、マイク、ビルの四人の弟子に、ベトコンに捕えられていると思しきデイブ・モーガン大佐の救出を命じた。戦時中工作員だった男の協力も得て、無事ベトナムの密林に侵入するクリス達。ところがその頃、モーガン大佐はベトコン達に処刑されようとしていたのである…。
この映画、ビデオの解説文にはこんなことが書いてあった。「アメリカの忍者映画には荒唐無稽なものが多いが、この映画は違う。マシンガンなどの近代兵器で武装した忍者が戦いを繰り広げるのだ!(ややうろ覚え)」確かに、銃で武装した連中相手に手裏剣や刀で戦う忍者が荒唐無稽なのは認めよう。しかしだからこそアメリカの忍者映画は面白いのではないか? そもそも銃で武装するのなら忍者である必要は無いじゃないか。本作は下手に現実的な要素を盛り込んだことによってニンジャのニの字も感じられなくなった、数あるニンジャ映画の中でもかなり失敗している部類に入る作品である。第一に、忍者達の衣装がいただけない。何故か黒装束の他に迷彩ズボンまで穿いているのだ。森の中では黒装束が逆に目立つのは分かる。いっそ全身迷彩にした方が絶対にいいのだが、これではニンジャのアイデンティティーを確立できないので仕方なく妥協したのだろう。でも夜中にベトコンのキャンプへ侵入する場面でも下半身迷彩なのはさすがに目立つぞ。こういう時こそ全身黒装束でビシッと決めてもらいたいところである。その上本作の忍者達、決して隠密行動をとらない。敵陣に正面から突っ込んでいき、マシンガンや手榴弾をガンガン使ってベトコンを薙ぎ倒していくのだ。おまえ達は何のために忍者の修行を受けてきたんだと突っ込まずにはいられない。ベトコンのブービートラップに苦戦するシーンは忍者映画っぽいと思ったが、それ以外はこれっぽっちも忍者らしさを感じさせてくれない本作。ヒロシ老人のアジトに飾ってある小学生の落書きレベルの忍者の絵とか、そういった点しか楽しむところが無い映画である。
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