メテオ               「評価 D」
アメリカの科学者が発見した隕石群。その軌道を計算してみたところ、なんと近々地球と衝突することが判明した。隕石の殆どは非常に小さなものだったが、一番巨大な隕石が地球に衝突したらまず滅亡は免れない。そこでアメリカとソ連が協力し、核ミサイルを撃ち込んで巨大隕石の軌道を変えるという計画が立案された…。
迫り来る巨大隕石に人類が立ち向かうという内容では、恐らく初のアメリカ映画となる本作。しかし映画全体に漂う、パニック映画とは思えないほどのテンションの低さは何とかならなかったのだろうか。何せ映画の殆どがアメリカとソ連の政治的駆け引きや科学者達の会議に費やされており、おまけ程度にチューリヒや香港沖やニューヨークに隕石が落ちてお茶を濁しているという有様なのだ。隕石落下の衝撃によって世界各地が雪崩や津波に襲われるのは「タイカス」などの災害寄せ集め映画の先駆けのようにも感じられるが、折角災害シーンで盛り上がっても、その直後の会議シーンで科学者たちが悩んでいる様子なんかを見せられたら観客としてはたまったものではない。そして映画のクライマックス、発射された核ミサイルが巨大隕石に向かう場面でもこのテンションの低さは顕在で、無人のミサイルにトラブルでも起きたら修正しようがないから、当然ミサイルは何のトラブルも無く隕石に飛んでいく。その様子を地球にいる主人公たちは、瓦礫の山と化したニューヨークの一角に集まりラジオで聞いているだけなのだ。これでは盛り上がるはずも無く、結局映画は終始テンションの低いまま終わってしまうという体たらくだった。
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