直撃地獄拳 大逆転           「評価 A」
国際慈善会議名誉会長のザビーネ夫人が持つ宝石「ファラオの星」が謎の組織によって奪われた。彼らはまた、ザビーネ夫人の娘ジュリーまで誘拐し、「宝石と娘を返して欲しくば身代金を払え。もし警察に連絡すれば娘の命はない」と脅してきた。そこで甲賀忍者の末裔、一匹狼の殺し屋、そして合気道の達人の三人組が再び集められ、娘と宝石の奪還を依頼されるのだが、実はザビーネ夫人と誘拐犯であるシカゴ・マフィアが裏で繋がっていて…。
前回はタダ働きに終わった三人組が、今度こそはと一致団結して任務に取り掛かる二作目。本物の格闘家が大挙出演していた前作に比べると今回のシカゴ・マフィアの面々は非常に地味ではあるが、映画そのものは前作を様々な点で凌駕しており、前作以上に楽しめる内容になっていた。まず倉田がいない分、本作では三人組の個性を生かした描写がより際立っている。特にマフィアのビルに侵入するシーンは彼らの特技を存分に生かした話立てになっており、スパイ映画さながらの面白さを味わわせてくれるのだ。更に本作、クライマックスの乱闘も凄まじい。前作では肋骨抜き取りや耳噛み千切りなど、残虐描写が全編に渡って繰り広げられていたが、本作ではそれまでの格闘場面は非常に大人しい仕上がりになっている。その分クライマックスでは今まで溜まった鬱憤を発散させるがごとく、敵の眼球がいきなり飛び出す他、マフィアのボスが「前歯を全て叩き折られる→内臓をえぐられる→首を360度回される」という残虐極まりないコンボで倒されてくれるのだ。そしてラストには石井輝男作品だからこそ実現できたゲストキャラまで登場したりと、本作は最初から最後まで見所に溢れた素晴らしいアクション活劇だ。
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