暗黒ベビィ ビクチム 「評価 C」
多発する猟奇殺人事件。被害者たちは血を流すことで快感を得るSMプレイの一種「ブラッド・スポーツ」に興じている途中で殺された以外に何ら接点が見当たらず、警察も捜査に行き詰りつつあった。ところが赤外線カメラで事件現場の撮影をしていたダニエルが、恐ろしい生物を目撃する。赤ん坊のような外見のそれは赤外線カメラを通じてしか姿を見ることができず、ダニエルはこの生物が事件に関係あるに違いないと確信した。早速この生物を追いかけようと、カメラ片手に事件現場を駆け回るダニエル。苦労の末、事件の背後にベビィを産み続ける怪生物の存在を掴むのだが…。
シンプル極まりない名コピー「おぎゃあ」に始まり、「ミルクの代わりに血を啜り、人肉さえも離乳食」「今、人間界は地獄の保育所と化す!」と宣伝文句の切れ味に関しては百点満点の本作。相変わらずアルバトロスコアは飛ばしてるなあとしみじみしてしまうが、本編の方もよちよち歩きの暗黒ベビィ達が飛んだり跳ねたりしてボンテージ姿のお姉さんをザクザク殺していくという、非常にアンビリーバブルな映像世界が展開している。しかも暗黒ベビィを産む怪生物がまんま女性器に触手を付けただけという実に舐めた造形をしており、見たら引っくり返ること必至。よくモザイクがかからなかったものだと、呆れるよりも感動してしまうぞ。話のテンポが悪くて中盤ややダレ気味になる他、怪生物が殆ど動いてくれないのでクライマックスの戦いが盛り上がりに欠けるのだが、宣伝コピーのブッ飛び具合には決して引けをとっていない作品である。
ちなみに本作の宣伝文句に「ブレインデッドの赤ちゃんゾンビの再来!」とあるが、この手の映画の原点である「悪魔の赤ちゃん」ではなく「ブレインデッド」の名を出したのは、きっとピーター・ジャクソンの方がラリー・コーエンより知名度があるからだろう。
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