処刑軍団ザップ 「評価 A」
「俺はサタンの息子だぜ!」と豪語するイカレ野郎率いるヒッピー集団が、過疎化の進むベタな田舎町にやってきた。閉鎖的な田舎のジジイにとっては存在だけでも十分毒になり得るヒッピー達。それが近所の空き家に住みつき、儀式と称してジジイの孫娘をボロボロにしたものだから大変だ。たちまちジジイの血圧ははね上がり、狩猟用の散弾銃を携えると、ドスを手にした健さんばりにヒッピーのアジトへと単身殴り込みをかけた。サタンから力を授かったヒッピー集団(自称)相手に、散弾銃で大立ち回りを見せるジジイ。ところが健闘空しく、ジジイは散弾銃を取り上げられて袋叩きに遭い、ヨレヨレの状態で帰途につくのだった。これでもうジジイは戦うことが出来ない。かくして邪魔者は消え、前途洋々かに思えたヒッピー集団だが、そんな彼らを狙う新たな敵が現れた。ジジイの孫息子でヒッピー達が襲った娘の弟が、密かにジジイの敵討ちを目論んでいたのである。少年は家の近くで狂犬病に苦しんでいる犬を発見すると、その血を抜き取ってミートパイに混ぜ、ヒッピー達に手渡した。お馬鹿なヒッピー達は何の疑問も無しにミートパイを食し、少年の謀略通りに狂犬病に感染する。しかし泡吹いてキ○ガイと化したヒッピー達が空き家を飛び出してバトルロイヤルを始めちゃったので、町の住民達も次々と狂犬病に感染していった…。
「処刑軍団」なんて邦題からはおよそ想像がつかないが、本作は一つの田舎町が狂犬病でパニックに陥ったという実際の事件を題材にしたアウトブレイク映画である。ヒッピー集団の田舎町での暴れっぷりをこれでもかと描いたかと思えば、狂ったヒッピー同士が殺し合ったり感染した住民がパニックに陥ったりと、徹頭徹尾纏まりが無い闇鍋的なプロットをその場のノリと映像のインパクトで違和感無く見せているのは見事としか言いようが無い。特に感染したヒッピー達のキ○ガイ描写は半端でなく、手足ブルブル泡吹きまくりな彼らの戦闘シーンは本作の欠点を十二分に補っていると言っていい凄みがある。彼らを始め、狂犬病に感染した人々がまんまゾンビライクな描かれ方をしているので、苦情が来ないものかと他人事ながら心配になったが、まあ狂犬病は症例が少ないようなのでオッケーなのだろう。何とも言いがたい、脳味噌爆発映画である。
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