スパイダーマン プルトニウムを追え 「評価 B」
青年ピーター・パーカーはスパイダーマンである。かつてピーターは放射能を浴びたクモに噛まれたことにより、壁に張りつく能力と第六感を身につけた。それを駆使して今までも様々な難事件を解決してきたピーターだが、この度彼に最大の危機が訪れた。ピーターが写真の持込をしている新聞社が、他紙の記者ゲイルの説得によってスパイダーマンの合同インタビューを企画したのである。しかも会社はスパイダーマンのインタビュアーとしてピーターを指名し、当のピーターは大弱り。ところが幸か不幸か、大学の研究室から実験用のプルトニウムが盗まれる事件が発生した。目撃者の証言などからスパイダーマンが容疑者として警察に睨まれることになったものの、これによってインタビューの話はうやむやになってくれたのだ。さてその頃、真犯人の学生グループはと言うと、盗んだプルトニウムから原子爆弾の製造に取り掛かっていた。何でも学生にも簡単に原爆が作れることを証明し、核の危険性をアピールしたかったらしい。だが完成した原爆が大統領抹殺を企む悪党に盗まれてしまい、事態は思わぬ方向に展開していく…。
70年代アメリカで放映されたTVドラマを基に劇場映画化された、「旧スパイダーマン3部作」の二作目となるこの映画。上から吊るしているようにしか見えない壁登りシーンや普通の人間相手に苦戦するスパイダーマン、そして稚拙な合成カットなど、前作で情けなかった部分はそのまま引き継がれているのだが、本作はまだ映画として面白いのが救いとなっていた。学生が原爆を作るという「アトミック・ハザード」ライクな前半から、カーチェイスや西部劇のセットでの戦いといった派手なアクションが連続する後半部分まで、とにかく見せ場が盛り沢山。この点、視聴者を毎週楽しませなくてはならない連続活劇が基であることが強みとなっている。一作目や三作目に比べても本作はそれがより一層発揮されており、サム・ライミ版を観た者でも別物としてそれなりに楽しむことができる。旧三部作の中では一番お勧めできる作品だ。
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