ザ・キラービーズ             「評価 D」
南米の国々に、養蜂用としてアフリカの蜂が輸入された。しかしその中には人を襲うことで知られる「悪魔蜂」が混ざっており、天敵のいない南米で瞬く間に数を増やしていったのだ。そこで遺伝子研究所のフランクリン博士は悪魔蜂を無害な蜂に変えようと研究を行うのだが、協力してくれるはずのアメリカ農務省から何故か十分な資金が得られず、研究は思うようにはかどらなかった。更に現地の貧しい親子が蜜泥棒をしようとして悪魔蜂の巣箱を開け、子供が死亡するという事件が発生。これによって現地の住民からの風当たりも強くなり、やがて研究所は暴動によって破壊され、フランクリン博士は逃げた悪魔蜂に刺されて息絶えてしまった。それから数日後、彼の妻サンドラは叔父の住んでいるアメリカへと来ていた。悪魔蜂のサンプルを持ってきた彼女は知り合ったノーマン博士と共に、亡き夫の研究を引き継ぐことに。だがその頃、悪魔蜂の噂を聞いた化粧品メーカーがこんな事を考えていた。「それほど元気がいい蜂なら、さほど良いローヤルゼリーが採れるに違いない!」と。早速悪魔蜂の密輸を敢行するメーカー。それによって悪魔蜂はアメリカへと上陸し、またも数を増やしていくのだった…。
70年代後半、「キラー・ビー」や「スウォーム」など、蜂映画が大量に製作されて一種のブームを築いていた時期があった。本作もその中の一本なのだが、なんだか色々な要素を詰め込みすぎて全体としての纏まりに欠け、尻切れトンボになった印象のする映画だった。化粧品メーカーの陰謀と悪魔蜂の研究に取り組む科学者の対立…という構図かと思ったら、映画の中盤から農務省の汚職を知った叔父が暗殺されたりなんかして、どんどん話がややこしい方向に向かっていくのだ。しかも蜂の大群が人々を襲う場面は「幸せそうに生活する人々→どこかから蜂の羽音が→大群襲来。人々はパニックに」が延々と繰り返される仕様で、盛り上がりも何もあったものではない。そして映画のクライマックス、蜂が突然変異によって知性を得たことが判明するのだが、ノーマン博士がその事を学会で発表し、「最早人類に勝ち目は無い。これから蜂と共存していこう!」と学者たちに呼びかけていると、会場の窓ガラスが割れて蜂の大群が押し寄せてくる。さあ、これからどうなる…と思ったところで、いきなり画面は二分割になり、スタッフロールが流れ始めるのだ。人類が蜂に屈するという、「フェイズW」を彷彿とさせるラストなのだが、あまりにも唐突な終わり方は観ていて唖然とすること請け合いである。

蜂映画一覧へ
GO TO TOP!!