世界が燃えつきる日          「評価 C」
核戦争で荒廃した未来、砂漠と化したカリフォルニアでは政府不在でもなお基地にいる軍人と、陽気な荒くれ者達が共に暮らしていた。そんなある日、彼らはアメリカ東部に生き残りの人類がいるらしいと知り、軍の改造トラックに乗って大陸横断の旅に出発する。砂嵐や人食いゴキブリ、強盗団との戦いを経て、旅の果てで彼らが見た物は…。
ロジャー・ゼラズニイの原作をお気楽旅行モノに改悪した、と一部でかなり評判の悪い本作。しかし私は原作未読者である故、本作を単体の映画として批評することを前もって言っておこう。
この映画、冒頭の手抜きな核戦争描写からしても予算が無いというのがありありと伝わってくるものの、主人公らが乗る改造トラックの存在感ある造型とか、巨大サソリや殺人ゴキブリといった未来のモンスター達が味わい深い、ロードムービーとしてなかなかの出来だった。特に放射能で動物が巨大化、狂暴化するというB級テイスト溢れる設定が私としては非常に堪らず、たとえサソリが合成丸出しで全く動かない奴だったとしても個人的に評価を与えずにはいられない。
ただし本作、ラストは「さすがハッピーエンド至上主義国アメリカ!」と叫びたくなるような代物で、ほぼ間違い無く拍子抜けさせられることだろう。B級映画好きとしてはまずまず楽しめたが、最後の最後で大きく評価を落とした映画だった。

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