スパイダーマン ドラゴンズ・チャレンジ    「評価 C」
ピーターが写真を持ち込んでいるビーグル紙の編集長の元に、彼の旧友が助けを求めに来た。なんでも山東省の鉄鉱山の利権争いに巻き込まれてしまい、香港マフィアに命を狙われているのだそうだ。その事を知ったピーター達も編集長に協力して彼とその娘を助けようとするのだが、一方で彼がアメリカに逃げたのを聞きつけたマフィアは殺し屋を派遣してきた。次々と襲いかかってくる殺し屋達。対するピーターはスパイダーマンに扮して必死の応戦をするが、正体をばらしてはいけないという制約が足枷となり、遂に男が殺し屋に撃たれるのを許してしまった…。
TVムービー版スパイダーマンの三本目にして最終作である本作は、大規模な香港ロケまで敢行された豪華な作りとなっていた。負担を軽減するためか、中盤は殆ど香港の観光地とのタイアップ場面が続くものの、低予算なTVムービー版にしては物凄い大盤振る舞いをしたものだと感心させられる。
しかも本作、香港を舞台とするのを意識してか、スパイダーマンがカンフー風アクションを駆使して殺し屋を薙ぎ倒して行くのだ。新聞紙の束を滑らせて相手を転ばせたり、裏拳で両脇の敵を倒したりと、後は申し訳程度にウェブシューターが使用されるぐらいでスパイダーマンらしさはほぼ皆無と言えるアクションシーンの連続。
また香港の街中を例の赤青のスーツで走り回るため、スパイダーマンが周りの風景から非常に浮いて見えるのである。
と、これらのミスマッチ具合が異様な雰囲気を漂わせている本作。第一作同様にスパイダーマンはへタレだが、この異色具合がまた楽しい映画だった。

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