ジュラシック・アマゾネス 「評価 C」
本作はロジャー・コーマンがジュラシックパークに便乗して製作した、男の妄想爆発な秘境探検映画である。
命令違反をした兵士3人を軍法会議にかけるため、少尉らがヘリで洋上を移動していた。ところがエンジントラブルが発生し、ヘリは無残にも墜落。少尉らは海を漂流した果てに、地図に載っていない謎の島に辿り着いた。ヘリの積荷も島に漂着しており、武器と食料の確保ができたので一先ず安心する一行。
ところがその時、彼らの前に絶滅したはずの肉食恐竜が出現した!(ストップモーションの人形アニメ+チャチな合成で違和感バリバリだ!)必死に応戦したものの仲間を一人食われ、銃で武装してはいるが絶体絶命の少尉達。しかしそこへ石槍を装備したアマゾネス達が現れた(同じ土地の住民なのに何故か白人と黒人が混在している)。彼女らの巧みな槍さばきに恐れをなしたのか、肉食恐竜はすごすごと退散して行った(槍が銃よりも強い世界って…)。
こうして一命を取り留めた少尉達だったが、彼らはアマゾネスらに侵略者と見なされ、集落に連行されてしまった。そして彼らは女王の前に突き出され、一度は武器を取り上げられて強制労働をするように言い渡される。ところが兵士の一人が腕にしている刺青(スマイルマーク)が彼女達の聖典によると救世主の証であり、それが功を奏して何とか一行は自由を取り戻した(当然聖典にはスマイルマークがでかでかと描かれており、爆笑必至)。
だがまだ女王の信頼を得たわけではなく、彼らは聖典に書かれているように集落を襲う巨大恐竜「グレート・ワン」を倒さなければならなくなった。(グレート・ワンは他の恐竜が全部人形アニメで描かれているのに対し、唯一巨大な着ぐるみを使って撮影されている。だがここでも「恐竜カルノザウルス」で使われたものと全く同じ着ぐるみを使い回しており、さすがはロジャー・コーマンと唸らずにはいられない)そこで一行はグレート・ワンへの対策を練りつつ、集落のアマゾネス達との交流を重ねていく日々を送るのだった…。
いやはや、何とも凄まじい脱力映画である。男数名に女沢山というウハウハな酒池肉林ハーレム状態なため、エロシーンが延々と続くのは当たり前。女同士の壮絶なキャットファイトがあったり、墓地の近くにいかにもな温泉が沸いていたりと、世の親父を喜ばせる要素がこれでもかと盛り込まれているのだ。しかもただエロいだけの馬鹿映画なわけでもなく、女だけの社会が成立していることや彼女らが英語を話すことにちゃんと理由付けがなされており、この点「ダイナソー・パニック」辺りよりもしっかりしている。
ただ本作、脱力主体に作られているためなのかどうかは分からないが、クライマックスがちっとも盛り上がらない。あれほど強さを強調していたグレート・ワンとの戦いが非常にあっけなく終了してしまい、実に物足りないのだ。洞窟の怪物やストップモーションの恐竜などは良い味を出しているものの、怪獣映画として見る場合、観客を満足させられるとはお世辞にも言い難いのであった。
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